首輪 カッコワリィ。 「似合ってるぜ?」 似合ってるってアンタ。 「俺は飼い猫でも飼い犬でもないっつーの」 「あぁ、猿だもんな。てかやめんな」 「・・・・・・・・・・・」 「折角構ってやってんのによぉ?お前は、またんな気合の入らねぇ嘗め方しやがって」 俺は今構って欲しい気分じゃネェっての。 自分勝手だなコイツはョ。 相変わらずョ。 「こっち構ってやってねぇのがそんなにイヤかよ」 「うぁ、ちょっ、やめろっての!」 俺はねぇ、屈んでるのョ? 座るアンタの目の前に。 見下ろすアンタの視線を受けて。 俺の方が不利じゃんネ? だって俺は咥えてるアンタのナニを噛むなんてことできネェんだから、サ。 アンタは好き放題じゃん? 「いやだからヤメロっての」 爪先が俺のナニを潰すのかって感じでウリウリしてくるわけだ。 咥えてる余裕は俺にはアリマセン。 それでも咥えろってアンタ噛まれたいわけ? ついでにさー息苦しいんだよネ、コレ。 巻きついてるのってイヤなんだけど。 でもアンタ嬉しそうだしさー。 ・・・あーあ。 惚れた方が負けですか。 そうですか。 誰ですかそんなこと言ったのは。 もう気づくとアンタ俺の服脱がしにかかってるしさ。 何かイジッテルしさ。 ・・・・気持ち良いけどさ。 「いいねぇ、その顔。好きだぜお前のそーゆー顔」 「・・・・・・・・・・・」 イジメじゃね? なんつうの家庭内暴力? 飼い主がペットイジメて良いわけ? もうちょっとはさ。 「ムリだって。てかイヤだっつーの!」 「ほぐしてやるから。まぁ暴れんな馬鹿力」 「痛くなくてもキショイんだって!」 カンベンしてョ。 あアぁあぁァアアあァア指が入ってくるよ。 キショイキショイキショイ。 キショイから吐き出したいでショ? 悪寒が走る上に鳥肌が立って更に力むっしょ? そんな自然な行為をまたこのエロヒゲは 「何だぁ?足りねぇのか?」 そう言って指を増やしやがるわけなのョ。 だから更に締めるっショ? 「貪欲だねぇ、お前はよ」 「もう限界」 キショイキショイタマンネェ。 そう漏らすとアンタはイヤラシそうに笑ってさ。 ・・・・今日も俺に乗れと言う。 アンタ好きだねこの体勢。 歳じゃないの。 腰痛か? もうちょっとはさ。 「締めるねぇ」 またんな当たり前のことを言う。 あぁまた引っ張んないでヨ。 苦しいんだってのこっちはさ。 まぁ。 俺の肌に噛み付く代わりに、首輪に噛み付くアンタは何か。 何と言うか。 ・・・・おもしろい? いや違う。 アンタが、というか。 アンタに、俺が。 いつも何かを思ってる。 アンタが噛んでボロボロになってく首輪が、いつか千切られたらどうしよう。 アンタが噛み付くその度に、俺はそんなことばかり考える。 アンタは何で俺に噛み付かないんだろうネ。 もうちょっとはさ。 俺のことを考えろって。 俺はいつも内股を伝う白いドロドロに呟いて。 アンタの分身に呟いて。 首から首輪を取り外す。 ---------*---------*---------*---------*--------- ともひと 首輪=ヤルゾwっていうことですね。 一汗かこうってときは猿を呼んで、 首にワッカをかけるんですね。 主人と猫の意思の疎通なんてあってないものですね。 2004.5 ---------*---------*---------*---------*---------