露出 あんた、も少し人の目を気にしろよ と、突然可愛くない顔をしながら弟が言った。 何で、と返すと、少し顔を背けながら呟く。 その…首のとか、腕の傷とか 自分の方が傷だらけの癖して、何を言ってるのだろう。 ち、違うだろ、その傷は! あぁ真っ赤になっちゃって。 裏会にいるときも気にしてないよ。皆わかってるし。 と付け足すと、今度は白くなった。 わなわなと震えてから、どしどしと足音を立てながら、可愛くない可愛い弟は自 室へ戻って行った。 良守、お前ちょっとはその肌隠したら? ニヤニヤしながら兄貴が言った。 何が? と返すと、兄貴はキョトンとした顔をして、 けれど一瞬でいつものニヤニヤ顔に戻って、 ふぅん。言うようになったじゃない。 と言って風呂場から出て行った。 意味がわからないまま、何気なく鏡をみる。 何度見ても傷だらけの体だ。 あれ? 一瞬、視界に赤い何かが映る。 もう一度鏡を覗き込もうと思って…すぐに思い当たるものが頭をよぎって、見る のをやめた。 あんのクソハゲが…! 心の中で毒付きながら、乱暴に浴室へ続く扉を開け放った。 Fin ---------*---------*---------*---------*--------- ともひと ゑろくならずにほんと申し訳ない・・・ 兄→弟っぽくて、弟→兄っぽい。 2010.5 ---------*---------*---------*---------*---------