葉 一枚落ちると取りたくなる。 腕を伸ばして、それを手の中に納めたくなる。 数枚落ちると見たくなる。 一歩離れ、ベンチに座り、記憶に納めたくなった。 やがて葉は乱舞する。 落ちた葉が舞い上がる。 彼は危うかった。 だから近寄った。 彼は頑なだった。 俺も頑なだった。 いつだったか、彼が俺の前で涙を流したことがある。 試験に落ちたときだったか。 思わず腕を伸ばして抱きしめた。 彼は嗚咽も漏らさずただただ涙だけを流してた。 彼は儚げだった。 だから見ていた。 空を見上げ立ち尽くす。 そんな彼を見ていた。 ニブルヘイムへ行くことになった。 俺がそう告げると、彼は驚いた顔をしていた。 故郷なのだそうだ。 懐かしそうに。そして少し哀しそうに。 俺は見ることしか出来なかった。 まるで錯乱したかのような。 いやそれはむしろ。 何かを失って嘆くような。 彼の声。 彼の手は震えていた。 膝は地に付いていた。 目は見開かれていた。 何を そんなに驚くクラウド あぁ 参ったな お前が見えなくなってくよ ------------------------------------------- ともひと すこうしセツナメで。 最後のザックスの独白は 撃たれたところ辺りです。 2004.4 -------------------------------------------