数



























こんなことがあった。




昼飯を食べるために、弁当を持って屋上へ上がったその日は、
やけに気分が良かった。

まぁ、嵐の前のシズケサってヤツだったんだろう。

屋上は昼飯を食う奴らがちらほらいるものの、教室よりは静かだ。
なので最近はここで食べることにしている。
適当に場所を見繕って座り込んだ。
弁当のふたを開けずに、ぼーっとしていたが。
5分程しても何も起きなかったので、蓋を開けることにした。

今日は来ないのか。

どうでもいいのだけれど、そう思う。
思いながら蓋を開ける。
開けて、数えて、納得した。
来ない理由を納得した。
むしろそれは来れない理由だったけど。

あー・・・やられた

久しぶりだな。
こんなことするのはな。
まぁ、・・・たまには。
そう思いながら飯を口に突っ込んだ。
雲の数なんぞを数えながらもそもそと飯を食べる。
こうやって一人落ちついて食べるのは久しいかもしれない。
いつも隣にうるさいのがいたからなー。




雲は二つあった。
二つと言っても、大きかったが。
夜は雨になるらしい。



俺は弁当を片付けて、立った。
午後の授業をフケるかどうか考える。
まぁ一応出るだけ出て居眠りでもしてようか。



あぁ、そうだ。
帰ったらオカンに言わないと。
たまには。
弁当ウマカッタ、くらい言うとしよう。



























友人が奪うくらいオカンの料理は旨かった。
そう言うことにしよう。
ついでに。
カラアゲを一つ、食べ損ねたことも、言っておこう。




































-------------------------------------------
ともひと
 弁当を盗み食いです。
 ホント隣の芝生は青いというか、
 いや実際青いというか。

2004.5
-------------------------------------------