鏡 今日、私は鏡の前に立った。 目が赤く熱を持っているようだった。 そっと触れて見た。 冷えた手はとても冷たく感じた。 雨で冷えた体を温めるために、私は鏡の前で服を脱いだ。 温まった体が鏡の前に映る。 普段は気にもせず見ていた自分の体が、酷く滑稽なものに思えた。 今赤いのは目だけではない。 体も上気して赤く染まっている。 まるで全身が泣いている様だと思った考えを振り払う。 だから目が赤いのは気にならない。 次の日、また鏡の前に立ってみた。 目は少し腫れていた。 今日は何事も無く過ごせるだろうか。 いや、過ごさなくてはならない。 私は自己暗示をかけるように呟いた。 その夜は、自分に問い掛けるように聞いてみた。 答えは返ってこなかった。 当然だ。 鏡とはいえ映っているのは自分だから仕様がない。 答えてくれるわけがない。 次の日。 答えの決まった自分の顔は少し赤く染まっていた。 私はその顔を見て更に赤くなりながら目を離す。 さぁ、出かけようか。 ------------------------------------------- ともひと キリコ先生に告白されたのだと思います。 しかもBJに似合わなさそうなピンク系にしてみました。 2004.8 -------------------------------------------