波

















気付けば、幼い頃から静かな水面に波を立たせるのが好きだった。

風呂に入ったら、必ずじっとして静かな表面を眺めた。

そして足を少し動かして、波を作った。

とても楽しかった。

自分で何かを起こすことが楽しかったのだと思う。

それはきっと今でも変わってない。



火を波のように揺らし。

高鳴る胸の鼓動に陶酔する頃に、気付く。

何かとてつもないことをしたことに気付く。

一度立った波はなかなか止まらず、止まると無性に立たせたくなる。

きっと月も波に魅せられたんだろう。

そう思う。



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ともひと
 何かしら抑えきれない衝動です。

2004.8
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