ガムテープ


























 部屋の隅に、ファンシーなキャラクターが見えた。
 たまった疲れが遂にここまで来たのかと、一瞬気が遠くなる。

 気を取り直してもう一度見ると、それはヤンキーのアルバムだった。
 
 放置されたアルバムの前に立ち、瞬巡する。

 確か消したくなる過去が収められたアルバムだったはずだ。

「だからってこのままってわけにもいかねぇしなぁ」

 余り触りたくないアルバムを前に、俺は対処法を考える。




1、眼魔砲で塵一つ残さず消去する


 いや、それならヤンキーがとっくにやってるな。
 やはりあんなでも残しておきたいもんなのか。



2、見えないところに隠す



 駄目だな。何かの拍子に捨てかねん。



3、中は見れないがとりあえずある状態にする


 …うん。これだな。
 さて、どうするか。









と考える俺の目にそれが飛び込んで来た。















「あの、お姑様。私の思い出がこのような姿になっているのは…」

「ん?あぁ、ちびっこの情操教育によくないと思ってな。封印した」

「俺の…」

「これでもう辛い過去を思い出さなくてよくなったな」

「…」



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ともひと
2007.10
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