のどあめ


















 確かこの辺りにしまっておいたはずなんだけどなぁ。

 どっこにやったかなぁ。

「…」

 アッ、シンタローさん起きちゃ駄目っすよ!

 いいから寝ててくださいっす!

 確かコタロー用にもらった飴がまだあったはずっすから…

 うーん

「…」

 え?なんすか?

 聞こえないっす。

 熱があるときはあったかくしてないと!

 確かにあったはずなのになぁ。

「…」

 仕方ないっすね。またもらって来るっす。

 …何で止めるんっすか?

 アッもしかして俺に看病してほしいとか…?

 そんなことわざわざ言わなくても、俺が一生面倒みますから!

 安心してくださアアアアアアアァァアアアアッ















「シンタロー、起きてるか?」

「わんっ」

「…」

「タケウチくんたちから薬をもらって来たゾ」

「…りぃ」

「何言ってるんだ。当然だゾ。な、チャッピー」

「わぅん」

「ところで玄関に何か倒れてたのは」

「あ…あー。お、出た」

「さすがタケウチくんの薬だナ」

「玄関のは生ゴミだから、そのうち土に還るさ」

「そうか。肥料になるのが楽しみだナ、チャッピー」

「アォンッ」

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ともひと
2007.10
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