熱帯魚






「なあパプワ。パプワ島の魚ってタンノとかマミヤ以外の、フツーの魚はいねえのか、フツーの」

「フツー?」

「そう、フツーの」

「フツーってどんなのだ?」

「んー。熱帯魚っていうのかな。この辺常夏だしそういうのいるんじゃねえの?」

「ネッタイギョ・・・」

「小さくて・・・いや小さくなくてもいいのか?カラフルでこう、綺麗だな〜って思うような」

「あぁシンタローさんが私を綺麗だなんて」

「眼魔砲」

「あ、昼なのに星が見える」

「おい家政婦、あんなの家に入れんな」

「はいお姑さん・・・」

「うーん。魚ならいっぱいいるゾ」

「そうなのか?じゃあ水槽に入れて飾ろうぜ」

「なんでだ?」

「えっ、なんでって・・・なんか殺風景だろ、家の中。なんかあれば華やぐかなと思ったんだが」

「チャッピーもいる」

「わうん」

「いやチャッピーはさすがに食うなって言えば食わないだろ?」

「シンタロー、お前もいる」

「え?」

「別に、家の中は寂しくなんてないゾ」

「そ、そうか・・・?いや、お前がそうだって言うなら・・・ウン・・・まぁ、俺もチャッピーも、いるしな?」

「ウム」

「え〜。ネッタイギョ、僕見たかったなあ」

「ロタロー、明日一緒に海に行くか」

「え、パプワくん連れてってくれるの!?やった〜!」

「楽しみだ」

「うんうん!」

「ロタローの喜ぶ顔・・・可愛いなあ」

「お姑さん、ティッシュどうぞ」

「おう」








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ともひと
2015.7
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